ロートレックとミュシャ パリ時代の10年
開館後初めての来館となった大阪中之島美術館。
中々展覧会の内容が合わず行く事が無かったのですが、この度「私の人生を180度変えたミュシャ」先生の展覧会が行われる事で訪れる事になりました。今回の展覧会は「ロートレックとミュシャ パリ時代の10年」と、タイトルにもあるようにミュシャだけでは無く、ロートレックの作品も多数展示されました。
小雨の中、大阪駅から徒歩で大阪中之島美術館へ。地下街を歩きビルの間を抜けて黒いスクエアな建物を川沿いに望む。平日の昼過ぎではありましたが来場者はそこそこあり、美術館の立地を考えるとミュシャやロートレックの人気があってとの事でしょうか?館内に入りチケットを購入し長いエスカレーターに乗って4階へ。
ロートレックの作品から始まり、氏の作品に少し疎い私でも何処かで見たことがある作品が続く。作品の中でも「悦楽の女王」などは試し刷りが同時に並べられ、紙と印刷を好む私としては非常に嬉しく興味が湧く展示となっています。これはミュシャの作品でもあり、絵のみ・絵と演劇タイトル・絵と演劇内容の様に時期が進む事や、出す場所によって行われた変更が同時に見比べる事ができました。1895-1897年の展示ではロートレックの「54号室の女性船客」ミュシャの「愛人たち」「ジョブ」などの私が好きな作品が並びます。中でも「黄道十二宮」はエンジニアを目指していた私を美術の世界に引き戻した作品であり、何度見てもこの絵のバランス、情報の多さには圧巻させられます。
他にもロートレック最後のポスターやミュシャの連作「四季」、ミュシャ装飾様式の完成として展示されている「つた」や「月桂樹」など、時代に分けられミュシャの展覧会を多数行っていて何度も見ている作品もあるが、時代時期の流れで見る事で新たな発見も多数ありました。最後には同時代の他の作家による作品や同時代のお酒のポスターも展示され、ミュシャやロートレックとはまた異なる方向での作品を見れました。
今回は副題の「パリ時代の10年」との切り口で中でも〈サロン・デ・サン〉での競作が中心になっていましたが、10年の時間の中での変化や成熟を一度に見るというある種「贅沢」な展覧会だったのではと思います。
本展覧会は一部の作品を除いて写真撮影が可能でした。撮影不可の作品には「堺 アルフォンス・ミュシャ館」からの物が多く、関西圏だと再び見る事が比較的可能だと思います。